リスクある出産を誕生の喜びへ
母子に優しく寄り添う
地域周産期母子医療センター
埼玉県出身。島根医科大学(現:島根大学医学部)卒。医学博士、島根大学医学部臨床教授。島根医科大学(現:島根大学医学部)付属病院にて勤務後、松江赤十字病院、東京女子医科大学病院などを経て、宇治徳洲会病院へ。学生時代はサッカー部に所属。
編集部より…
大学病院をはじめ、各地の病院で多くの経験を積んできたという青木部長。それゆえに「オペ室は24時間対応で、全国から救急搬送のある当院は、救命の力も京都で随一です」と語るその言葉に、実感の伴う重みを感じた。
新生児の命を救うNICU
妊娠22週以降の周産期医療を担う地域周産期母子医療センターとして、高度な医療を行う宇治徳洲会病院。NICU(新生児集中治療管理室)を有し、地域への貢献度は非常に高い、と青木昭和部長は胸を張る。「当院のNICUは9床で、京都府下でも多い方です。また、28週というかなり早い段階から受け入れており、地域の開業医の先生は助かっていると思います。同様の週数での受け入れは京都市内にもありますが、緊急事態では、とにかく遠方より近隣ですから」
産婦人科医としての心得
胎児の状態に関わらず、妊婦は常にデリケートな心境にある。「お母さんの愛情を削ぐような言葉遣いは絶対にしないよう心がけています。実際、異常が見つかった胎児の状態を、別の生き物に例えて説明した先生がいましたが、とんでもない暴言ですよ。医者の言葉というのは切れ味がいいんです。その人の心に一生残ってしまうということを肝に銘じておくべきです」。時に優しく、時に真剣な面持ちで語ってくれた青木部長。その姿に、患者と常に真摯に向きあう様子が垣間見えた。
自身の経験から患者の心情を痛感
相手の立場に立って話すということは、頭では理解していても実際にはなかなか難しい。「端的に言えば、医師も自分が病気になって初めてわかるんです」。自身も深刻な病気の疑いが生じた経験があり、患者の気持ちが身にしみて理解できたという。「身体にアザができて、どこかで打ったかなと思いながら知り合いの皮膚科の先生に診てもらったら、内臓に悪性腫瘍ができている可能性もあると言われて。やはりショックを受けましたね。血液検査をして後日結果を聞きに行く時などは、いつもと出勤ルートを変えたら良くない結果が出るんじゃないかとか、縁起を担ぐといった心理も本当によくわかりました」
医師としての責務とは
青木部長の信条は、「患者の言うことは否定しない」ということ。「例えば、患者さんが腹痛を訴えているけれども、検査をしても何も異常が見られない。そういった時に『痛いはずがない』などと言う先生もいるんですよ。でも、そんなことはないんです。痛いと言ったら痛い。患者さんはもう居ても立っても居られないから来ているんです。ですから、患者さんを否定することはしません」。そこにある事実をしっかりと受け止めて、すべきことをしっかりとやっていく。そう意識して対応しているという青木部長。患者と同じ目線で語り、歩調を合わせ、ともに乗り越えてゆく。不安を抱え訪れる患者にとって、それはとても心強い存在であるに違いない。
名称: | 医療法人徳洲会 宇治徳洲会病院 |
所在地: | 〒611-0041 京都府宇治市槇島町石橋145番 |
電話番号: | 0774-20-1111 |
公式サイトはこちら |
※取材時は全員マスクを着用し、距離を置くなど可能な限りの感染拡大防止対策を行っています。