充実したリハビリテーションで
手術をせず保存療法での回復を目指す
大阪府枚方市出身。京都府立医科大学卒。15歳の時に父親をガンで亡くし、医師を志す。手先が器用だったことから整形外科医に。趣味は、ゴルフ、料理。
好きな言葉
「獲得形質は遺伝する」。ジャン=バティスト・ラマルクが主張した説のひとつで、生物が獲得した後天的な能力は遺伝するという説。「これまで私を鼓舞し続けてきた、大事な言葉です」と院長。
第1波より発熱外来と コロナ病棟を開設
宇治市と京都市の市境に位置し、両地域の受け皿となっている六地蔵総合病院。「小規模ながらも、昨今求められている医療は、新型コロナウイルス感染症も含めて全てカバーしている病院だといえます」と語るのは、宮本達也院長。コロナ病床は現在30床。発熱外来も行う。その背景には、第1波の初期の段階で職員に感染者が出たことにある。「幸いクラスターは起こらなかったんですが、最初それがコロナだということがわからず、結局その職員は他院で治療して軽快しました。私の立場としては、当院で見逃してしまい、治療できなかったというのが非常に悔しくて。現在も、感染者数が収まってきたと思えば急に増えたりなど1週間単位で状況が変わるので、柔軟に対応できるようにしています」
手術をしなくて済むように
整形外科医師として、脊椎脊髄疾患の治療を30年以上行ってきた宮本院長。手術症例は4千件を超えるというが、「症例によっては手術しないで治すのが一番いいんです」とのこと。「例えば骨粗鬆症に伴う椎体骨折などは、現在では背骨にセメントを注入して固定するという手術が主流ですが、私は疑問を感じます。神経障害がある場合などはともかく、何でもかんでも手術、というのはやりすぎかな、と。手術はやはり痛みも残りますし、日常生活がかえって困難になったという患者さんも多くいらっしゃいます。ですから当院では基本的にギプスやコルセットを装着する保存療法を行っています」。そうなると必然的に長期入院となるが、「急性期のほかに、中長期的に入院可能な回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟などがあり、濃厚なリハビリをしていただけるのも当院の特徴です」と院長。また、介護保健による訪問リハビリや通所リハビリなど幅広く対応。総勢約45名のスタッフが在籍しており、特に回復期リハビリテーション病棟では365日休まずリハビリを実施している。
患者の満足のために 大事なこと
宮本院長曰く、「医療というのは、起承転結だと思います」。何が原因で、どんな症状があるのか。それを医師が診ることで見極め、治療をする。そういった一連のストーリーを作ることが大事だという。「それがどこかで欠けてしまうと、医師も患者さんも満足できないまま終わってしまうので、それは避けたいですね。そのためには、患者さんの訴えを事実として100%受け止める。そこから原因を的確に探り出すことが大事だと思います」
名称: | 六地蔵総合病院 |
所在地: | 京都府宇治市六地蔵奈良町9 |
電話番号: | 0774-33-1717 |
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※取材時は全員マスクを着用し、距離を置くなど可能な限りの感染拡大防止対策を行っています。