本当の意味での“正しい医療”とは何かを考え、
「ありがとう」と言ってもらえる最期に。
京都市伏見区出身、岐阜大学医学部卒、京都大学大学院 博士課程修了。京都大学医学部附属病院、滋賀県立小児 保健医療センター、田附興風会北野病院、大阪府済生会 野江病院、医誠会学研都市病院にて勤務。2019年4月、 院長就任。整形外科専門医、日本整形外科学会認定リハ ビリテーション医、日本整形外科学会認定脊髄病医。
編集部より
院内を移動中、次から次へと患者さんに話しかけられる 添田院長。「先生の診察時間に間に合わへんかった、残念 やわ~」と握手を求められたりなど、多くの患者さんに慕 われている様子が伺えた。
すべての始まりである、診断の大切さ
伏見区醍醐の地域に根ざし、整形外科と内科を中心に診療を行っている共和病院。添田恒光院長の信条は、「正しい診断と、正しい治療を行うこと」だという。それは患者の立場からすると至極当然のように思えるが、明確に診断が出来ない場合もある。「そんな時に必要なのは、私達医師がどれだけ引き出しを持っているか、なんです。例えば、『リウマチ性多発筋痛症』という疾患は、ステロイドをきちんと使えばすごく良くなるのですが、実際には、整形外科で診断できる医師は少ない。なかなか治らない時、特に高齢者の場合などは仕方がないと判断してしまいがちですが、それが本当に正しいのか、立ち止まって考えることも時には必要です。そこから正しい治療法につながって回復したという患者様も実際にいらっしゃいますよ」。高齢者の患者様を診断する際に注意すべきなのは、複数の病気を抱えている場合が多いということ。「1つの症状が全ての病態を表すわけではありません。1対1の診断ではなく、いろいろな可能性を考えて包括的に診ないといけない。見極めるのに時間がかかってしまうこともありますが、無責任なことなできませんから」。
地域の基幹病院としての役割を果たす
院長としての業務を行いながら、外来も週3〜4コマを担当する。取材当日にも急患があり早朝に駆けつけたというが、「当たり前のことをしているだけ」と、事もなげに語る添田院長。「ここを開業した祖父と父の代からそうでしたから。ただそれは、患者さんを大事にしている開業医の先生だったら、普通のことですよね。当院は手術や入院が必要な重症患者に対応する第2次救急医療機関ですが、実際は1.5次くらい。やはり地域の人達をどこまで診られるかだと思うんです」。
限られた時間を有意義に過ごせるように
高齢者の入院患者は増加傾向にあり、近隣の介護施設の協力医療機関として最期の瞬間に立ち会うことも多いという。「人間、どうしても寿命は来ます。その時にスタッフによく言っているのは、ご本人様とご家族様に感謝してもらえるような看取りをしましょうね、と。残された時間のことを考えると、ご本人はもちろん、ご家族がどうしたいのかも念頭に置いて、できるだけ苦痛がな く人間らしくいられるように、QOL(=生活の質)を高く維持できるようにしたいですよね。そう考えると、今その人に手術をするのは本当に正しいのか、というところにも踏み込まないといけない。教科書通りの対応が必ずしも正しいわけではありません。最期にただ『ありがとう』と言ってもらえたら、それがその患者様にとって正しい医療だと思います」。
名称: | 医療法人松寿会 共和病院 |
所在地: | 京都府京都市伏見区醍醐川久保町30 |
電話番号: | 075-573-2122 |
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