今の飲ませ方で大丈夫?子どもとお薬

せっかくもらったお薬を嫌がって飲まない…。
お薬を嫌がる子どもにおすすめの飲ませ方や、楽しく飲める方法はあるのでしょうか?
薬剤師の堀越博一先生にお伺いしました。

お薬のおすすめの飲ませ方や飲ませるコツは?

ただでさえ風邪で機嫌がよくないのに、慣れないお薬を嫌がって飲んでくれないことはよくあります。赤ちゃんの場合は、お薬の味がわかりにくくなるよう、舌の上にのせないのがコツ。1才を過ぎた子どもには、お薬についてきちんと説明してあげるのも効果的です。無理強いせず、「薬を飲むと良いことがあるよ」など、なるべく自分から飲んでくれるような声かけをしてみましょう。飲めたら思いきり褒めてあげるのも忘れずに!

どうしてもお薬が飲めない時は食品に混ぜて飲みやすく

 最終手段としてジュースや食品に混ぜても構いません。その場合は、ココアなど味の濃いものがおすすめです。リンゴやオレンジ味のジュースは苦味を引き出してしまうことも。粉末ならバナナに挟んだり、少量のアイスに混ぜると味が感じにくくなります。しかし、食事に混ぜると食べ残しの原因になるのでなるべく避けた方がよいでしょう。

 

なぜ、抗生物質があまり処方されなくなったのでしょうか?
子どもの発熱はほとんどがウイルスによるもの。ウイルスに抗生物質は無効であるだけでなく、時には重大な副作用や、抗生物質が効きにくい耐性菌を増やす原因に。できるだけ不要な抗菌薬は投与しないことが推奨されています。
高熱でも解熱剤は極力使わない方がいい?
熱はウイルスなどと戦っているので、むやみに下げるのは逆効果。熱が高くても機嫌がよく、水分が取れて、排尿もきちんとあれば様子をみて大丈夫です。辛そうでぐったりしていれば38℃でも使用してください。また、熱性けいれんの心配がある場合も早めに解熱剤を使用してください。
座薬を挿入後すぐに排便。入れ直したほうがいい?
座薬の形が残ったまま排出された場合は再度挿入してください。座薬が溶けていたり、10分以上経過している場合は、薬がある程度吸収されているため様子をみましょう。また解熱剤を使ってもタイミングによりあまり効かないことも。解熱剤だけに頼らず、脇の下や首筋を冷たいタオルで冷やすと効果的です。
イオン飲料が大好きです。元気な時も飲ませて大丈夫?
イオン飲料のほとんどは、脱水改善を目的としているため糖分や塩分を多く含みます。しかし糖をエネルギーに変換するのに必要なビタミンB1が含まれていないため、たくさん飲み続けるとビタミンB1欠乏症(まれに脚気や脳症)になる可能性も。虫歯のリスクも上がるので普段の水分補給には適していません。
お薬手帳のメリットや効果的な使い方を教えて!
お薬情報だけでなく、薬を飲んだ状況も記載しておくと便利です。アレルギー歴の有無、副作用歴、現在過去の病気についてはもちろん、粉薬が苦手、水に溶かして飲んでいた、服用したあと眠くなったなど、処方されたお薬についてのメモを残すことで、医師や薬剤師も手帳を見れば一目でわかります。体重に合った薬の量を処方するために最新の体重も書いておくのもおすすめです。

 

「お薬を飲みたい」と思える雰囲気作りが大切

お母さんは病気を治してあげたい一心で、子どもに無理強いしてしまう事があります。そうすると子どもは不安になってしまうので、「お薬は楽しい時間」という雰囲気を作るように心がけてください。何でも相談できるかかりつけの薬剤師・薬局を作ることも大切です。