城陽市 村田正明 市長

一歩ずつ誠実に。城陽市長が描く「市民が主役」のまちづくり。

■城陽市 /村田正明 市長 | プロフィール

1961年12月7日生まれ。京都府立大学卒業。1985年に京都府庁に入庁し、山城広域振興局建設部長、山城北土木事務所長などを歴任。2022年より城陽市理事、2023年より同市副市長を務めた後、2025年9月に城陽市長に就任した。

Q:初登庁式の様子が報道された中で、「当選の喜びはここまで」とおっしゃっていたことが印象的でした。「市役所の玄関をくぐった瞬間に、仕事をする」と。

A:仕事をするために市長になりましたからね。城陽市は財政が厳しいので、登庁してすぐ幹部職員と管理職を全員集めて「今まで通り仕事をされると困る」ということを言いました。そしてその場で緊急財政対策に着手することを宣言して、次の議会ですぐに提案することを伝えました。

Q:「絵に描いた餅」ではなく、できることを着実にするというのは、とても大事なことだと思います。選挙戦の際にも無償化などの公約は掲げていらっしゃいませんでした。

A:普通なら、私が市長になったらこうします、ということをたくさん言うんですよね。例えば給食費無償化とか、医療費を半額にしますとか。それは一つも言いませんでした。自分がやる以上、空手形は切れないので。私は行政職員だったので、言ったことはやらんとあかんと思うたちなんですよ。今は、できることを一歩ずつ誠実にやっておかないと、本当に潰れてしまいますから。大きな夢としてやりたいことは、もっとまちが元気になってから、と思っています。

Q:村田市長がお仕事をするうえで大事にしていることは何でしょう?

A:職員にいつも言っているのは「普通の目を持ってください」ということ。公務員の常識は、世間の非常識です。府の職員として37年間仕事をしてきて思うのは、役所の論理や理屈は役所でしか通用しない、ということ。全く行政経験のない家族に「こういうことやろうと思うんだけど、どう思う?」と聞いてみて、「それいいね」といってもらえたら、自信を持ってやる。逆に、どう説明したらいいんかな、と悩むようやったら、一般の賛同は得られない。小難しい言葉でしか説明できない仕事というのは、本来あってはならない。
行政の仕事って、わかりにくいでしょ。「それ規則でできないんです」とか。規則や法律は本来、人を守るためのものであって、縛るためのものではないですから。現場経験が長かったのと、人と話をするのが好きだったので、声を聞く中で実感したんです。

Q:今は女性が働くのが当たり前の時代。まみたん読者の中にも働くママさんは多くいらっしゃいます。

私自身が共働きの家庭で育ち、寂しい思いを抱えていたので、「共働き」については複雑な思いがあります。お父さんとお母さんがともに子どもを育てる「共育て」はいいんですが。お母さんが働くことに生きがいを持っていらっしゃるなら、それは素敵なことですが、一方で、生活のために働かざるを得ないという人もたくさんいらっしゃいます。家庭の事情も子どもの思いもそれぞれですから、画一的に「これが正解だ」と決めるのではなく、どんな選択も尊重される環境整備が必要だと思います。

Q:子育て真っ最中のパパさんママさんたちに、メッセージをお願いします。

「一人じゃないよ」と伝えたいですね。「私ががんばらないと」と一人で抱え込むのは、やめたほうがいい。子育ては、家族をはじめ、身近な人と一緒にやる、とにかく孤独な状況になってほしくない。
私自身は子育てが大好きで、毎日お風呂に入れてましたし、トイレトレーニングもやりました。子育てに関して全くの素人でしたが、そんな中でも、子どもは3歳までの間に一生分の可愛さを私に返してくれました。ですから、子どもが大きくなっても「育ててあげたんだから老後の面倒を見て」とは言いたくない。それで今、市長として働いているんです(笑)。子育てに奮闘する中で、少しずつ親は親として一人前になり、子どもは大人になっていく。ですから、「子どものために」と肩肘を張らずに、少しずつ親も子も成長していけばいいんじゃないかなと思います。

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