子どものお手伝い

将来の生活力につながる幼児期のお手伝い

お手伝いは将来の身の回りのことができるようになるかどうかが左右されます。お手伝いを早く終わらせる力や集中力が、試行錯誤する力や計算力、ほめられることで目標を達成できるという自己効力感にも繋がります。親は手伝ってもらえると、心に余裕ができて笑顔になり、親の笑顔は子どもの心を温めますので、良好な親子関係にもつながるのです。

イヤイヤ期が来たらスタートのチャンス!

何でも自分でやりたがるイヤイヤ期は、お手伝いを始めるチャンスとも繋がります!という時は、「お手伝いもやりたい!」と大人に伝えながらお手伝いを展開させましょう。
2〜3歳はできる範囲が限られていますが、お手伝いのやり方をできるだけ尊重し、可能な範囲で付き合ってあげましょう。ただ、包丁やアイロンなど危険を伴う場合は、おまかせにせず保護者がだけでも目を離さず、無理のない範囲でやらせてください。

子ども自身成長親子関係にもメリットが!

お手伝いのメリットの1つは、子どもも自身の生活スキルが上がること。お手伝いを早く終わらせる力や計算力、ほめられることで目標を達成できるという自己効力感にも繋がります。親は手伝ってもらえると、心に余裕ができて笑顔になり、親の笑顔は子どもの心を温めますので、良好な親子関係にもつながるのです。

4〜6歳は人格形成時期 身の回りのことをお手伝いに

4〜6歳になると人格が形成されていき、興味のあることに流されがちで、自我も強くなるため、親のいうことを素直に聞いてくれなくなる傾向に。この時期に親が身の回りの世話をしすぎると、子どもはできることともやらなくなります。小学生になると、我が子に自分の身の回りのことをやって欲しいという声も多く聞かれます。脱いだ服は脱衣かごに入れる、靴をそろえる、食器を台所に持っていくなど、お手伝いを活用して、スムーズにできるように促すと良いでしょう。

その子にとっての「特別感」を目標に

お手伝いのモチベーションが報酬になるのは避けたいところ。ただ、継続がむずかしいときは、お風呂を洗った後に好きな入浴剤で入浴する、洋服を脱いでから洗濯をして、服をたたむまでの一連の流れを見せるなど、イベントのようにしてみましょう。シールを活用して「何枚たまったらピクニックに行こう!」など、モノではない「特別感」を目標にするのもおすすめ。目指すはほめられてうれしい気持ちが日々のお手伝いにつながることです。

理想は家族と過ごす中で自分の役割に定着すること

我が子にお手伝いをしてもらうまでの土台として、ママやパパに意識して欲しいのが、やってあげていることを手放すこと。なんでも先回りせず、差し伸べる手をひっこめることから始めてみてください。子どものお手伝いへの意欲を高めるきっかけとなり、成長につながります。行きつく先は、「家族の一員としての役割」です。その入り口として、お手伝いを活用しましょう。

教えてくれたのは…

公認心理士


佐藤 めぐみ さん

育児相談室ポジカフェを運営。英・レスター大学大学院修士課程修了。専門は0〜10歳の子がいる家庭向けの行動改善プログラム、認知行動療法ベースの育児ストレスカウンセリング。