プロフィール
京都府内の私立学校を中心に約13年間、入試広報に従事。自身が高校時代、周囲に馴染めず無気力な3年間を送った経験から、「同じ思いをする子が一人でも少なくなるように」という思いで、受験生一人ひとりに向き合っている。
大切なのは、「自分らしくいられるかどうか」
まずは、自分が今通っている学校を基準にして考えてみてください。例えば、もっと人数が多い方が楽しそうだと思うのか、少ない方が落ち着いてのびのびできそうと思うのか。今の環境が心地よいのか、それとも改善したいのかというのが学校を選ぶ時の一つの基準になると思います。
環境という面では、公立か私立かという大きな選択肢がありますが、公立のメリットとしては、共学校ばかりなので、今までと似た環境で過ごせるということがあります。そして、その中で男女の価値観の違いを学ぶこともできます。ただ、その反面、異性の目を気にしすぎて、恥ずかしい気持ちが勝ってしまうと、自分らしさが表現できなかったりすることもあると思うんです。私立の女子校や男子校のメリットはその逆で、異性の目を気にせず、思いっきりいろんなことにチャレンジできる環境があります。大きな声をだしたり、思う存分、汗をかいてスポーツをしたり。環境が変わることで、発表が苦手だった子ができるようになった、スポーツが上達した、自分らしさが見つけられた、という話はよく聞きます。
学校選びで一番大切なのは、「自分らしくいられる学校かどうか」です。もし今置かれている状況の中で、自分らしさを発揮できていないな、とか、私はもっとできるはずなのに、と感じているなら、3年間の環境そのものを変えることも考えてみてください。共学か男女別学かだけでなく、生徒数が多い学校か少な目の学校なのか、人数規模も私立の学校は様々です。どんな学校であれば自分らしくいられて、成長することができそうか、イマジネーションを膨らませてみてください。
自分らしく過ごせると、親友ができる!
異性を意識してしまったり、人数が多すぎてやりたいことができない、など、自分らしくいられない状況があると、どうしても自分を誤魔化したり、飾ったりしてしまうところがあると思うんです。そうやって、自分も周りも、お互いに本当の自分を出し切れていない状態で接していたら、真の意味での友達にはなりにくいのではないでしょうか。しかし、自分らしく生きることができて、その上で共感し合える相手が見つかったなら、それは本当の友達、つまり親友になり得ます。大人になってからもずっと連絡を取り合うような、人生における親友ができるのは、やはり環境の影響も大きいのかな、と、私自身、在校生や卒業生を見ていて感じますね。
私立高校は京都府内に40校以上!選択肢はとても多い
公立私立を問わず、学校ごとにそれぞれの校風はあるかと思いますが、特に私立の学校の場合は、先ほどお話したように、共学か男女別学か、生徒数が多いか少ないか、またコースやカリキュラムなどにいろんな特徴があって、本当にバリエーション豊かです。そんな個性のある私立学校が、京都府内に40校以上もあるんです。たくさんの中から選ぶのは大変ですが、選択肢が多ければ多いほど、自分にぴったりの学校が見つかるチャンスでもありますから、それはぜひ知っておいていただけたらと思います。
女子校、男子校の特徴とは?
男の子はどちらかといえば競い合う方が好きな性質がありますが、女の子の場合は、競争よりも“みんなで一緒にやっていこう”というスタイルの方が力を発揮しやすい傾向にあると感じます。ですから、女子校や男子校では、そういった、それぞれの性質に合うような指導を意識しているところが多いと思います。よく「どんなタイプの子が女子校に向いていますか?」と聞かれるんですが、女子校というのは、どの学校も、女の子の特徴を大事にして教育している学校ばかりです。ですから、女の子であれば誰でもぴったりなんですよ。その中で、将来の夢につながる学びがあるとか、自分の興味のあることが充実しているのか、を中心に選んでいただけたらと思います。
将来の夢がまだ見つかっていなくても大丈夫!
現在中学生の方であれば、おそらく高校受験を意識する時期になって初めて、真剣に自分自身と向き合う必要に迫られているのではないかと思います。将来どんなことがしたいのか、自分にはどんな夢があるのか。考えてもまだわからない、夢なんてまだ見つかっていない、という人も多いと思います。だからとりあえず、友達と同じ学校にしようかなと思う人がいたりします。でも、その友達とあなたは全く同じ個性や性格を持っていませんよね?大半の受験生は、人生で初めて学校を選べるチャンスですから、自分の個性を大事にして欲しいんです。今は特に夢が見つけられていなくても、自分は何が得意なのかを考えてみて、勉強でなくても、自信があることを活かせるような学校を選ぶのも良いですね。
また、将来の選択肢が広がるような、できるだけ汎用性のある、幅広い学びができる学校を選べば、3年間を通じて自分のやりたいことや将来の夢を見つけていくこともできます。ノートルダム女学院の場合であれば、「プレップ総合コース」といって、大学の学生や卒業生と交流する機会があったり、企業の方とコラボレーション授業を行ったりなど、キャリア形成を意識した多彩な学びを経験できるコースがあります。いろんな世界について知る機会があるので、自分が何に興味があるのか、将来何を目指したいのかをきっと見つけられると思います。最近、そういったカリキュラムや取り組みを行う学校も増えているので、ぜひチェックしてみてください。
迷った時はココに注目!説明会や学校見学で実践して欲しいこと
学校説明会などでは、一方的に話を聞くことが多いですよね。それだけではなかなか、自分自身にピッタリくる学校なのかどうか、判断しづらいと思います。ですので、個別相談を実施している学校であれば、ぜひ申し込んでいただいて、そこで具体的に相談や質問をしてみてください、例えば今将来の夢はまだないけれども、それを見つけるためにどのようなサポートをしてもらえるのか、など、具体的に聞いていただけるといろんなヒントをもらえると思いますよ。合同説明会の場ではなかなか難しいかと思いますので、できればオープンスクールなどで個別に相談してみてください。
また、オープンスクールに参加した時に一番大事なのは、在校生の雰囲気が自分に合うかどうかをチェックすることです。もし校舎を案内してくれるのが在校生だった場合には、好きな場所がどこですか、とか、食堂のおすすめはなんですか、など、何でもいいのでコミュニケーションを取ってみてください。少しでも話しをしてみたら、自分自身となんか合うなとか、ちょっと違和感あるなとか、何かしら感じ取ることができると思いますよ。
できれば全然違うタイプの学校にも行っていただいて、比較しながら考えた方がわかりやすいと思います。例えばオープンスクールに3校行くのと、6校行くのとでは、選択する際の情報量が全然違ってきます。手間はかかりますが、選択肢が多ければ多いほど、判断材料の精度が上がってくるので、できるだけ多くの学校を比較検討してもらえたらと思います。